さんてんいちいち

仕事がとにかく忙しくて忙しくて。今日ようやくその峠を越え、明日明後日はれんきゅーっ!と思っていたら地震
かなり揺れが激しく、こりゃヤバイ原発ヤバイなどと思いながら、わざわざ現場から事務所に戻ってネットを開いていた。つまりヤバイとか言いつつも、まったく危機感がなく、どこか他人事。一旦収まってからみんなで「怖かったねー」なんて一服して、次に余震が来た時にはさすがに外に出て、社員以外はみんな帰宅指示。社員は最低限の残務処理をして、電車が全部止まってるとのことなので希望者は全員近くの宿泊。当然明日も出勤だ。家族が全員無事だったことが確かめられたというのも大きかったのかもしれないが、この時点でも僕はどこか呑気だった。犬猫のことだけが心配だったので会社の車を借りて帰宅することにし、道が果てしなく混んでいる時も「文明って弱いね〜」なんて呑気に訳知り顔で一人ごちていた。
家の中は驚くほど無傷。パソコン部屋の棚の上に積んであったCDや本が散らばっているだけで、棚自体は被害なし。バズとネコとタミも無事だった。肩透かしを食らった気分で、ソファーに腰掛けTVを点け、そしてあの津波の映像を初めて目にした。
映像の力はすごい、なんて言うと変なところで感心すんなってことになるかもしれないけれども、実際すごかった。ただただ呆然として、涙が止まらない。迫力という面では『ヒアアフター』の方がある。目の前の大きなスクリーンで人が波に巻き込まれて死んでいくのだから。それでも、これほどの怖さはない。海水らしき黒いアメーバーのようなものが、ミニチュアの町を呑み込んでいく。かなり高いところからの空撮なので、正直現実味はない。こっちにも被害が、とかそんな危機感もない。それでも怖くて何も手につかない。こういうのを釘付けというのだな。
戸棚から皿が飛び出してきたという実家に行って、風呂に入って、帰ってきた。心配ぶって行ってはみたけれど、あとにして思えば僕が怖くなって誰かに会いたかったというだけなのだろう。
そのまま、何の備えも考えずに、とりあえず、寝た。

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