5月の読書

他人と深く関わらずに生きるには (新潮文庫)大津波と原発日本人と戦争責任―元戦艦武蔵乗組員の「遺書」を読んで考える森達也斎藤貴男版『だまされることの責任』とも言える『日本人と戦争責任』。渡辺清(この本で初めて知ったけど)の遺した言葉から、戦争当時の僕ら、戦後の僕ら、そして今現在の僕らの在るべき姿を探る、期待していた以上に読み応え充分な一冊。
『大津波原発』は、内田樹中沢新一、そして平川克美の三人の鼎談。さらっと読めちゃうけど、これもまた深し。緑の党作っちゃうかなんて話も出ていて、中沢新一の今後にプチ期待。
池田清彦『他人と深く関わらずに生きるには』。なかなか面白いんだけど、残念ながらこちらの体調が合っていなかった。「なるほどね〜」で終わっちゃった。基本的な考え方はほぼ同じ方向を向いているような気もするので、ひと月後とかにもう一回読むと、案外スコンと入ってくるのかも。
誰が誰に何を言ってるの?FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン (朝日新書)二酸化炭素温暖化説の崩壊 (集英社新書)たまたま読む本を切らせてしまったので事務所の書棚から取り出したのは広瀬隆の『二酸化炭素温暖化説の崩壊』。数ヶ月ぶりに読んだけど、やっぱこういう本は2回読まなきゃダメね。全然「入ってくる」度が違う。一回ですんなり理解出来るほどの細胞も整ってないし。そんなわけで読後はガッテンしちゃいました。
で、実にタイムリーな発売なのが(というか東電メルトダウンを認めたタイミングが実に妙だった)『福島原発メルトダウン』。実際に目の前で(テレビやネットの報道で)体験してしまった事故なのだから、ただ読むだけだった今までとは違うのが当たり前だけれども、いやそれにしても驚いた。こんなにも分かりやすいなんて。事象の一つ一つに解説が付いているようなもので、これはすんなり皆さんにオススメ。
先日の森達也高橋源一郎の対談の時にサイン欲しさに買ってしまったのが『誰が誰に何を言っているの?』。視点が嬉しいよね、この人って。
朽ちていった命:被曝治療83日間の記録 (新潮文庫)・・・この本の存在を知らなかったことをプチ恥じてしまった。なかなか一気読みがし難いほどの内容だけれど、いやぁ、読んで良かったわ。読んで、少しでもそういう、良く分からないけど多分、で済ませていた世界をしっかり想像出来る様になっておかないと、人間は絶対ダメになると思う。広瀬隆の本を、「重くてイヤ。怖くてイヤ。」と読まない人も多い。それならそれで無理に薦めたりはしないけど、重くても怖くても、この本は読んでおいた方がいい。何万人が死んでしまう惨劇ではなくて、一人の人間が死ぬ、ということ。その想像力を持った上で、広瀬隆をお薦めしたい。

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