それが男の生き延びる道。

久々にツイッターで、熱い(暑い)気持ちをぶつけてしまった。
言うまでもないけれど、内閣不信任案だ。国会というところは白痴の巣窟なのだった、やっぱり。
菅直人が、トップに立つ人間としてさほど能力の高い男でないことは、彼が総理になる前から大抵の国民は感じていたはずである。先の代表選で彼が勝てたのは、単純に小沢一郎アレルギーがあったからだし、鳩山政権時代に副総理であったにも拘らず、まったく存在感を示せなかったことからも容易に推測出来る。他人の足元をすくって飛びぬける術には長けているかもしれないが、「さあ、みんな行くぞーっ!!」と他者を引っ張っていくようなタイプでは全然ない。
でもなっちゃった残念ながら。僕は、彼が総理大臣になること自体には基本的に違和感を抱かないけれども、それでもやっぱり首を傾げてしまったのがその時期。つまり余りに早すぎた。普天間や実行困難なマニフェストの問題を抱えていて、当然政局は安定しない。だからそんな時は豪腕小沢一郎にやってもらえば良かった。そのあと岡田とかで繋いで、それなりに民主党政権が定着してから、平時の、平和な時の総理として期待していた。そもそもは鳩山由紀夫が早々と辞めすぎたんだけどさ。
そんな、激動期に相応しくない男が総理大臣だった正にその時、3・11が襲ってきた。最悪としか言いようがない。本人も「なんだよよりによって」と嘆き苦しんだであろう。「ああ焦るんじゃなかった」と。
しかしながら冷静に考えてみると、一体誰ならこの災害を上手く処理出来るのかという問いかけに、的確な答えを出せる人がいるとは思えない。そりゃそうだ、たらればでしかないのだから。でも仮に裁判問題を抱えてなかった小沢一郎が総理大臣だったとしても、仮に自転車に乗る姿が主婦のハートを鷲掴みにした谷垣某が総理大臣だったとしても、現状にさしたる違いがあったとは思えない。こんなことは国会に集う連中にだってよおく分かっていた筈である。その証拠に誰一人として、自分が総理大臣だったらこうする、という明確をヴィジョンを示した者はいない。具体的に菅内閣のどこが過ちでどのように正すべきなのかを示した者はいない。今、まったく先が見えてこない被災地の未来を作り上げていく上で、一番求められているのが「具体的な案と迅速な実行」であるにもかかわらずだ。
だからこそ、内閣不信任案を起こした連中や、それに右往左往した連中を僕は軽蔑する。自民公明は勿論、鳩山一派や小沢一派も議員バッヂを剥奪してやりたい気分だ。
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と、ここまでが前説。まあ実際はしょうがないですよね、国会議員も人気商売ですから。商品価値を失いかけている総理大臣をいつまでも担いでたら自分の賞味期限が切れちゃう。そりゃ生き抜くために必死でしょうよ皆さん。
ここで考えたいのは菅直人の余生。のらりくらりと見事な手腕(流石と言ってもいい)で、総理の椅子を守ったわけだから、せっかく守ったのだから、且つ、せっかくこんな歴史的瞬間の総理大臣なのだから(多分世界中で、3月以降知名度が急上昇したと思う)、10年後20年後50年後の日本史の教科書にしっかり名前が載る総理大臣であってもらいたい。「日本の歴史に終止符を打った」じゃなかった「日本の歴史を大きく変えた勇気のある」総理大臣として。近々辞めるって?いやいや今からでも全然遅くない。「近々」は、やりようによっては「3ヶ月」にも「半年」にもなり得る。半年もあれば、結構なことが出来るはず。そしてその効果によって「一年」にだって出来るはずだ。
菅直人に今一番足りないものは、間違いなく「人気」である。展望や政策でなく人気である。結局のところ、国民からの人気があれば政敵も大して文句は言えないし、マスコミも官僚も手加減する。小泉純一郎だって石原慎太郎だって橋下徹だって、人気者だからさほど叩かれない。小泉石原の長期天下は周知の通りだし、橋下もよほどのことがない限り拮抗するほどの人気者は当分出てこないだろう。
さてこのお三方は如何に国民的人気を得たか。それが展望や政策である。どっちやねんって話なのだけれど、これはエンドレスで続くことになる。つまりヴィジョンがあるから人気が出る。人気があるからヴィジョンが受け入れられる。人気商売ってのはみんな同じである。曲が良ければ売れる、売れるから新曲も評価される。ここで大事なのは、微妙に相手の予想を裏切り続けること。予定調和の中ではこっちは安心はするけれど次のアルバムを買いたいと思わないし、次の選挙にわざわざ足を運ぼうと思わない(人気者不在時代の自民党は、これをお金で解決した。でも小泉時代は積極的に投票した若者が相当数いた、はず)。実感として全人類からの賛同を得られると思うけれども、予想を裏切られることは、実は案外快感で、その次への期待感をもたらす。この辺りがお三方は実に上手い。まずは敵を作りあげてすかさず攻撃をしかけ、「いやそれはちとまずかろうよ」と躊躇した回りに対しては「お前らも同類か?」と恫喝する。「え?あれが敵?」と思ったのも束の間、今度はこっちも敵になりかねない、のんびりしてられない、と最初に大声を上げた人の側に回ってしまう。つまり、それが人気と支持率に繋がる。
菅直人が今(早急に)、国民からの人気を得るためにはこの手法に倣うしかない。浜岡を止めよう、と言った時よりも大声で、しかも怒り口調(今変換したら猪狩口調になった。遠からずしてって感じだねイカリさん)で、「全国の原発を止める!発電と送電を分ける!」と言うしかない。「郵政を民営化しないとニッポンはダメになる!」とか「三国人を追い払わないとニッポンは滅びる!」とか「弁護団を解任しないとニッポンの正義が失われる!」くらいの勢いで「ニッポンが滅亡する!世界が消滅する!」と。更に「トーデンは潰す!」とか言ったら間違いなく支持率は上がる。
当然、反発もあるだろう。でもね、大声で言えば言うだけ、国民的支持は得られる。だからどこまで強い口調で言えるかが勝負である。「アイツ等はダメだーっ!!」とか言ってくれる人が大好きなのだから、古今東西、我々愚民は。そして我々のハートをゲットしてくれたら、その分菅内閣の延命は続くだろう。仮に潰されたとしても、そこまで支持された政策を次の内閣が簡単に撤回できるはずもない。
ほっといてもこれから数十年で脱原発の流れは世界の主流になっていくだろう。だったら一番最初に声を上げた人間がやはり、歴史に名を残すチャンスに一番恵まれるはずだ。
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と、ここまでが薀蓄。本音を言わせていただいて、僕は小泉も石原も橋下も大嫌い。大声を上げたヤツが勝ち、みたいな朝ナマ的決着のつけ方にも心底嫌悪感を覚える。ついでに言うなら、菅直人の政治的手腕にも疑問を覚える。
それでも、こんな危機的状況を少しでも(早く)良くしてくれるのだったら全然オッケー。そして今それが一番やりやすい環境にいるのは菅直人しかいない。だから僕は彼を心から応援する。浜岡を止めようと言った時点で、その可能性はある人だと確信したから。
だから頼む、暴君になってくれ。
菅さん、もちろんココ読んでるよね。

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